わたしのネイルを褒めないで

 

わたしは大学時代からずっとジェルネイルをしている。就活時などに外すことはあったものの、仕事柄わりと派手目なデザインもOKとされているので、ラメの魔法をずっと爪先に施してきた。

 

今、諸事情でジェルネイルをお休みしている。わたしにとって素の爪を見られることは、すっぴんを見られるより恥ずかしい。

休みの日にはマニキュアを塗っているが、正直全くときめかない。何も塗らないよりはマシ、程度の効果しかない。

 

そんな未完成で惰性的なわたしのネイルを「可愛いね」などと褒めないでほしい。いや、めちゃくちゃ我儘だな?というのは分かっている。褒めている方は何の悪気もなく、むしろ本当に可愛いと思ってくれているのかもしれない。でも、でも、わたしの可愛いって“これ”じゃないんだよな。

 

例えば手を抜いたメイクの日。例えば可愛さより楽さを優先した服を着た日。

そんな日に褒められたところで、いや、違う。これはわたしの思う可愛いじゃない。と思ってしまう。

褒められて嬉しいはずなのに、それと同時に悲しく虚しくなってしまうアンビバレントな感情。